世界遺産、絶景広がるオルチャ渓谷へドライブ | イタリアの旅行記

支店
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世界遺産、絶景広がるオルチャ渓谷へドライブ

エリア
ピエンツァ
/イタリア
テーマ
自然
時期
2019/5/1~2019/5/1
投稿日
2019/5/4
更新日
2020/4/13
投稿者
北村 和将

 ローマから車で北に向かうこと3時間、世界遺産のオルチャ渓谷(ヴァルドルチャ〈Val d'Orcia〉)へドライブに行ってきました。本日は5月1日、日本では「令和」になったこの日、すばらしい絶景を堪能してきました。

 オルチャ渓谷は渓谷という名がついてますが、どちらかというと牧歌的な草原の広がる景色という感じです。私の中では北海道で訪れた「富良野」「美瑛」を思い出します。オルチャ渓谷は広く分布されており、ローマから北に位置するウンブリア州とフィレンツェ、シエナで有名なトスカーナ州の州境あたり一帯に広がっています。
 話をさかのぼると中世時代、粘土質の土壌のため耕作に適さないこの土地を300年もの時間をかけ、土壌改良を行い現在の美しい風景になったそうです。いわば人間の手によってこの美しい景色を時間かけて作り上げたということです。

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  • 5月は黄色い菜の花じゅうたんが美しい

    • 緑と黄色のコントラストがとても美しい

    • この景色、ついつい夢中で撮ってしまいます。

    • 友人はカメラを忘れたのでスマホで撮影。

    • いつの間にか友人が撮ってました。

     

     ドライブしながら景色を堪能していると、春の草原ともいうべき緑のじゅうたんに、ところどころ美しい黄色の菜の花じゅうたんも見ることができます。菜の花にしてはちょっとサイズが小さいため後で調べてみたところアブラナの花のようです。

     一面に咲き乱れる花と空にはひばりの声が聞こえる牧歌的な風景は、心を洗われた気分になります。

     秋だと枯草で茶色の景色もすばらしいと思いますが、やはり花の季節である春がオススメのような気がします。

     

  • オルチャ渓谷に映える景色はポツンと立つ糸杉

    • 道に沿って立つ糸杉は田園風景を惹きただせます。

    • 糸杉の花言葉、正義の人を意味するのか?それとも絶望・哀悼・死なのか?

    • 春の季節、マウンテンバイクで優雅に走っている姿をたくさん見かけました。

    • 1日のんびりと絵を描いてもいいですね。

     オルチャ渓谷では素晴らしい景色に欠かせない「糸杉」がポツンポツンと立っています。農家へ続く道の両側、きれいに並んで植えられているもの、時には寂しく草原の真ん中に1本だけなんてものも。たくさん密集していたら絵にはなりませんが、ポツンポツンといった感じで立つ糸杉は、景色を惹きただしてくれます。


     トスカーナの糸杉について由来を調べてみたのですが、特に大きな意味はなさそうでした。が、花言葉は死・哀悼・絶望・正義の人だそうです。レオナルド・ダ・ビンチも「受胎告知」(ウフィツィ美術館)では背景に糸杉を描き、オルチャ渓谷ではないと思いますがゴッホもたくさんの作品に糸杉を描いています。巨匠たちも糸杉を描くことにより意味深な思いを表現されたのではないでしょうか?

  • 世界遺産の街・ピエンツァには必ず行ってみましょう。

    • 城塞都市、ピエンツァ。城下から見るのも素敵ですね。

    • こじんまりとしたかわいらしい街。立ち寄るだけでなく1泊したいですね。

    • 「VIA BELLA FORTUNA」素敵な幸福通り。

    • ピエンツァの展望台からはオルチャ渓谷が一望できます。

     ちょうどオルチャ渓谷を囲むように城塞の街、ピエンツァがあります。オルチャ渓谷が2004年に世界遺産に登録されたのに対し、ピエンツァはオルチャ渓谷よりも早い1996年に「ピエンツァ市街の歴史地区」として世界遺産に登録されています。


     訪れるとわかりますが小さいながら区画整理された素敵な街はルネッサンス期1459年、ローマ法王であったピウス2世が故郷ということで建築家ベルナルド・ロッセリーノに街全体の改造を行わせました。ルネッサンス期の都市設計が現代の今まで残る街並みが評価されて世界遺産に認定されたそうです。
     
     政治家ならぬ、権力者は故郷のため財力を投資する姿はいつの時代、どこの国でも存在するんですね。小さい街ながらドゥオモや素敵な裏路地、そしてオルチャ渓谷を見渡す展望台には必ず訪れてほしい所です。

     ちなみに名産は羊の乳を使った「ペコリーノチーズ」。スライスして食べるもよし、削ってトマトソースに入れればトマト系パスタで有名なアマトリチャーナソースになります。チーズは日本に持ち込むことができますので真空パックにしてもらい、お土産にいかがでしょうか?日本よりもかなり安く購入することができます。

  • オルチャ渓谷にひっそりと佇む、ヴィタレータ礼拝堂

    • こちらは裏側のヴィタレータ礼拝堂

    • こちらが正面。ぽつぽつとですが観光客が訪れています。

    • 車を停めて礼拝堂に行く途中のパノラマな景色。

    • 寂し気に佇む礼拝堂ですね。

     ちょうどサンクイリコドルチャとピエンツァの間にあるヴィタレータ礼拝堂(Cappella della Madonna di Vitaleta)。やはりここも正義の人?哀悼?を意味する糸杉に囲まれひっそりと建っていました。


     こちらはサンクイリコドルチャ、ピエンツアァどちらからも徒歩で行くのはかなり厳しいです。舗装のない道を車で入れるところまで行くと門があり、そこからは徒歩で1キロ近く歩きます。特になにかあるわけではありませんが礼拝堂近くまで来てみると、周囲にはすばらしいパノラマな景色があります。そして寂し気に建つ礼拝堂が、パノラマな絶景として惹きただしてくれる感じがしました。

  • 映画グラディエーターの撮影ポイント

    • 撮影時の木立とは異なりますが多分、ここのはず。

    • ちょっと曇ってきたのが残念。

    • 金色の稲穂ではありませんがここで手をかざして真似してみました。

    • 私ならばここに何時間もいることができます。

     私の好きな映画、リドリースコット監督「グラディエーター」の撮影地に行ってきました。多分?ここのはずです。主人公マキシマスを演じるラッセルクロウがスペインの故郷を回想するシーンは有名ですね。

     春なので金色ではありませんが麦のような稲穂に手をかざし、妻と息子が走ってくるシーンは映画を見た人ならば誰でも美しい景色として思い浮かぶはずです。残念ながら訪れた時間はかなり曇ってしまいましたが撮影の場所で有名なためたくさんの人が訪れていました。ふと思ったのが、映画の設定ではイタリアではなくスペインなんですよね。

  • 廃墟と化した修道院サンガルガーノと聖剣伝説

    • 夕暮れ時、廃墟と化した修道院

    • 雨ざらしにも関わらずきれいに保存されています。

    • トスカーナ最古のゴシック様式。見る価値があります。

    • 聖剣伝説。誰かが抜いてしまったため今はケースで覆われてます。

     ピエンツァからワインで有名なモンタルチーノを通り、約80キロほどのところにあるサンガルガーノ修道院(Abbazia di san galgano)に立ち寄ってみました。


     ここは1218年から70年かけて造られたトスカーナ最古のゴシック建築になります。1786年、雷により、そばに建っていた鐘楼が倒壊し、屋根が壊れ、廃墟と化した修道院になってしまいました。しかしながら廃墟と言っても州によって保管されいるため見学は可能です。(もちろん入場料はかかります。)

     またこの修道院から徒歩で300メートルぐらいの小高い丘にモンテシエピ礼拝堂があり、そには・・・岩に突き刺さった聖剣が見られます。これは騎士サンガルガーノが浴世を捨て、平和を祈るために不必要となる剣を岩に突き立てると、岩が剣を飲み込んだ奇跡が起こったそうです。写真にも載せました岩に剣がめり込んでいます。
     よくあるこの剣を抜けたものが聖者という話ではありませんので。(私はそう思ってしまいました。)


  • 夕暮れ時、雄大な景色が広がるラウレターナ通り

    • 稜線に立ち並ぶ糸杉は、なにか意味あって植えられたのだろうか?

    • オルチャ渓谷と変わらぬ雄大な景色。

    • 夕暮れ時の美しさ。

    • 男4人ドライブ。大満足でした。

     シエナから南下しモンテローニダルビア(Monteroni d'Arbia)からアシャーノ(Asciano)に抜ける州道12号線「ラウレターナ通り」(Via Lauretana)がオルチャ渓谷のように美しいということを聞き、車で通ってみました。5月、サマータイムも始まり、写真の明るさで夜20時ごろ。ちょうど、夕暮れ時ということで美しい景色を堪能することができました。


     オルチャ渓谷に比べると電線、鉄塔も数多く見られたので世界遺産規準にはならないのかな?と思いました。イタリアの田舎、ここトスカーナでは、ガイドブックに載っていなくても素晴らしい場所がたくさん存在し、訪れる人々を感動させてくれます。

  • 世界遺産・オルチャ渓谷、ピエンツァはオススメです。

    • 満足な1日でした。

     いかがでしたでしょうか?交通の便が不便な場所ですが世界遺産だけあって訪れた時には誰もが感動する場所だと思います。


     オススメの行程としてはローマからフィレンツェ、逆であればフィレンツェからローマの移動で専用車を利用することです。通常は高速鉄道で1時間半かけて移動してしまいますが、この区間、専用車を使えばスーツケースを車に積みながら、オルチャ渓谷、ピエンツァ、シエナを立ち寄り、景色を堪能しながら移動ができます。疲れたら車内でうたた寝でもすれば自動的に目的地のホテルまで運んでくれるため移動を楽しむ旅行を味わえます。

     せっかくイタリアに来たのであれば素晴らしい場所を通り過ぎるのではなく、専用車を使いながらアレンジ自由自在に立ち寄りされてはいかがでしょうか?